秋山2番に置いた辻監督の狙い
就任当初にラジオ番組のゲストで辻監督はこう語っていた
「いくらホームランバッターが多いとはいえいつも打てるわけじゃない 1点を取るためにどうやって進めていくかを考えて欲しい その為なら中村でも栗山でもバントのサインを出すかもしれません(中略) ウチは機動力がない だから策を弄して1点を取りに行く エンドランなりバントなり動ける場面は積極的に行きたい」
現場に入って2年目のシーズンになるが
これだけ柔軟性を持って自らの采配を変えた監督は初めて見る
その際たる作戦が2番秋山と言う配置じゃないか
源田、外崎、金子侑司と盗塁を仕掛けられる選手をホームランバッターの間へ挟むことによって
バントを使わずに点を奪おうと言う流れを作り
昨年から今年にかけてリーグ最少の犠打数になっている
20年前だと優勝チームは犠打数が多いと言うデータ上の定説があり
実際、黄金期のライオンズは毎年犠打はリーグトップだった
それでも奇襲の重盗をする場面が多く、盗塁も三桁を超えるシーズンがあったから
ずねけた攻撃力だったのかもしれないが
恐らく源田1番、秋山2番の並びは昨年のイーグルスが開幕から起用した茂木、ペゲーロを参考にしているだろう
茂木が塁上にいれば盗塁を警戒しながらホームランバッターのペゲーロに投げなければいけない
バッテリーは初回から神経をすり減らすことになり下手すれば2人で2点を失うわけだから
ベンチからすればゲームプランニングどころではなくなる
不安定な投手陣をカバーしたいと言う背景も透けて見えるが
辻監督は秋山を2番に置く事で一気に大量点を奪う意識になっているのではないか
普通はシーズン終盤に入ると1点を奪う野球を重視して行くのがセオリー
敢えて真逆に打って出たのはとても興味深い
2番秋山がタイムリーを打つ場面が増えれば増えるほど
ライオンズは優勝に近付いている事になるだろう
最後に辻監督がラジオ番組でこうも言っていた
「三振が多くなっているので減らせるところは減らしたい 粘ってファールを打ち 四球でも繋いでいければ良いんだと言う意識があれば減らせると思っている」
この下りは今年のライオンズでよく見る光景
やはり辻監督は優秀な戦略家だと思う