指名打者の効果と策略
指名打者は元々メジャーリーグのアメリカンリーグが投高打底を改善するべく導入した制度
その後、観客動員が減少傾向だったNPBのパリーグが1975年に採用された
導入投与は打撃成績が向上し得点力も増えたが
その後の数字を見ても採用していない他リーグの成績と大差がないのが現状だ
昨年シリーズに敗れた直後にジャイアンツ原監督がセリーグ導入を提言したが
指名打者制を置くことになるとレギュラーが固定化されやすいので
控え選手の需要が下がる
そうなると必然的に実力差が開き始めてしまい
チーム全体の選手層は落ちていくと思っている
しかし指名打者制を有効に使った例を挙げると
1989年に南海ホークスから門田博光が移籍したオリックスブレーブス
両雄並び立つのか注視したのを覚えている
門田は元々は走攻守そろった外野手で
野村監督時代からクリーンアップを任されていた
ところが1979年にアキレス腱断絶し1年棒に振ると
そこからは指名打者起用で四番に座り
打席では常にホームランを狙うようになった
その結果3度のホームラン王を獲得
通算567本放った大選手である
石嶺は興南高校時代強打の捕手として甲子園に出場
ブレーブスに入団後もキャッチャーのレギュラーを目指していたが
膝の故障で座る姿勢が難しくなり指名打者へ
レギュラー定着の年になった1986年は56試合連続出塁の当時の記録を達成
肝炎を患い闘病しながら試合に出場をしていた
門田がホークスに復帰する1990年のわずか2シーズンだったが
2人ともレギュラーとして好成績を残しており
特に石嶺は1990年レフトに固定され37本108打点のキャリアハイを残すことになる
指名打者としてのスタンスがお互い全く別で
試合中ベンチ裏に下がる門田に対し石嶺は守備時必ず立って見ていたそうだ
基本的には外国人打者に任せるのが筋で
日本人選手の指名打者はこの後だと両リーグホームランを取ったイーグルスの山崎武司まで出てこない
レギュラーとして活躍オールスターではホームランを放った例がある
打撃はずば抜けているが守備での不安がと言うのが指名打者の条件になるけれども
近年の野手スカウトはどちらかと言えば守備型の選手の好む傾向があるので
指名打者にしても起用したい選手がいない
そう考えると今年のホークスが面白い
この二人を同時に起用するには片方がレフトに回らないといけない
果たしてどういう起用法で二人を生かしていくか
工藤監督の手腕も試される