君は天然色
CMソングで何度も使われ今期アニメ「かくしごと」のED曲に起用されている
「君は天然色」
最初にこの曲を聴いたときのイメージは
主人公である男の子が片思いしている女の子に向けて歌っていると思っていた
かわいがっていた最愛の妹に向けた兄の悲痛な叫びと知る
元々病弱だったこともあって
子供の頃はいつもそばにいて見守っていたそうだが
容体が急変しそのまま逝去
はっぴぃえんどからの盟友大瀧詠一からオファーをもらっていたが
しばらく作詞が書けなくなってしまい苦闘の上に捻りだしたフレーズは
モノクロに見えている今の世界に色を付けてくれ
この背景を知っていると今回の「かくしごと」に起用された意味が分かる
大まかなストーリーはシングルファザーになった漫画家のお父さんが
自分の書いている作品で娘がいじめられないように
家ではスーツを着てサラリーマンをしているように見せかける様が中心
コメディ要素満載
各話のサブタイトルも既存の漫画から着想して付けている
一方で物語の時間軸は17歳になった娘が登場し
既に亡くなっていると思われる父をかくしごとから通じて
在りし日を思い出すという様子が描かれている
2つ物語の対比としてOPになっているflumpoolの歌と映像で表している
OPはお父さん側から見た視点で展開されていて
2人が並んで向き合っているカットが多く登場する
逆にEDでは2人が向き合う事がなく
途中で車のワンショットが入ったり
歌詞に合わせてタイトルのネオンサインを出したりと
歌の明るさとは逆に無機質なカットが多い
一昔前はタイアップの道具としてアニメでも使われている時代もあったが
2000年代に入ってからは作品にリンクできる楽曲が起用されている
それでも既存曲を使う事はなかなか難しいのだけど
かくしごとの監督さんのセンスの良さが発揮されているなと
すでに大瀧詠一も鬼籍に入られていて
より喪失感は強く感じているのだけど
最後まで見終えてどんな色が彼女の目に見えているのか
静かに見守って行きたいと思う