ホークス一強時代を検証する
工藤監督就任後四年連続80勝をマークしたホークス
順位予想でも戦力分析でも常に優勝候補という評価で語られるチームである
パリーグはこの絶対的な一強に対して他球団がどう対抗するかが論点になるわけだが
今回はそのホークスについてフォーカスをしたいと思う
工藤監督の4年間の数字を見ると前半2年と後半2年では全く意味合いの違う戦い方をしている
前半の2年は工藤監督の理想が詰まっていた
武田翔太にはいくら結果が出なくてもローテーションを守らせたり、リリーフには登板数を調整させて過重負担をさせず
千賀も一年間ファームのローテを回らせて先発投手へのモデルチェンジを完成させた
正直こういう方針で来シーズンを望まれたらライオンズはひとたまりも無い
戦力を育てながらの80勝超えで余力を残している状態だから
しかし2年目のシーズンでその後の方針転換をさせるショックが起きた
大谷翔平の獅子奮迅の活躍でファイターズが大逆転で日本一まで駆け上ったのだ
最強の集団が規格外の個人に踏み潰された事でホークスの戦い方が変わった
後半の2年を見るとそれまで苦手にしていた夏場に驚異的な勝率で80勝ラインに到達
戦い方を見ると打撃指標ではそれまでと変わらないが接戦を尽く勝ち切っている
極端に変わったのはリリーフ陣の登板頻度
勝負所と見るや大差がついていても勝ちパターンを投入するケースも見受けられ
昨年セットアッパーを任された岩嵜はシーズン72試合を優勝決定まで投げまくり
サファテも日本記録のセーブ数54を含む66試合登板
傍目から見ると目一杯鞭を入れてきていると思う
その反動で今年は2人とも開幕直後に戦線離脱し復帰することなくシーズンを終えてしまった
今年のリリーフ陣はクローザーに森唯斗が入りセットアッパーが加治屋蓮
嘉弥真真也が左のワンポイントからモイネロの代わりにセットアップして勝ち込んだ
既に加治屋は肩の痛みが出て秋季キャンプ投げられかったのを見るといくらホークスの選手そうとはいえ来年も同じペースで勝てるかどうかはわからない
そして1番の問題は野手のレギュラー高齢化問題
浅村栄斗の獲得で1年間固定できるクリーンアップを目指していたわけだが
イーグルスに持っていかれて頓挫
王会長が嬉々として指名していた高卒の大砲候補たちも
上林除いて全滅状態で黒瀬は戦力外通告の末育成落ちと完全にガラパゴス化してしまっている
勿論キューバ政府とのルートでグラシアル以上の代表選手を獲得するかも知れないし
既存のメンバーも錚々たる実績があるので急落するとは考えにくいが
2008年、2013年の様にBクラスに落ちる可能性もゼロではないのではないかと思っている
清宮、安田、小園と野手ドラフトを展開しても取りきれず
投手もこの2年で疲弊してきている感が否めない
FA補強に失敗したこの後どう立て直してくるか
注視していきたいと思う